ザ・ワールド・イズ・マイン


このマンガについて、みんな難しい考え方で評価しているので、僕はそういう難しいこと抜きにして僕の課題である単純に「マンガとしてこれは面白いのか?」という事を話したいと思う。
そもそも、なぜ多くの人がこのマンガを難しく評価するのかは内容を知らないと分かりずらいと思うので、まずは内容を見て欲しい。
トシ&モンの二人が繰り広げるアナーキズムと、謎の怪物ヒグマドンがもたらす恐るべき災いが、大量の人々を次々と無意味に葬り去っていくヴァイオレンス劇。しかし、凄まじいまでの暴力描写を通じ、「何故殺人はいけないのか」を問いかけ、道徳観や倫理観、社会秩序が乱れつつある現代の日本に警鐘を鳴らす作品。


実に難しい。僕がこのマンガを読んだ感想は、「もしこういうテロリストがいたら?」を想像して実にリアルに書いたすごい作品だと思う。
でも、非常に残念なのがマンガとして面白くないという事だ。最初の3巻ぐらいまでは、トシモンが日本中を爆破したり、警察が大勢取り囲む中、脱出したりと非常に面白いのだが巻を重ねるごとに政治の事が関わり、外交の事が関わり、宗教の事が関わりして全然トシモンのハチャメチャな動きがなく面白くなくなってくるのだ。
この『ザ・ワールド・イズ・マイン』を映画にしていたら、はじめはハリウッド級の戦闘シーンてんこ盛りだが、後半アメリカ大統領の演説とかばっかりでしょぼいB級映画のようになっていただろうと思う。
話としてはすごいと思うのだが、マンガとしては正直後半面白味にかける。