ドラゴンヘッド


ドラゴンヘッド [DVD]

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最近、ずっと邦画を見続けているんだけどハズレばかりだ…。やっぱり、こういう世界観を表現するのには、マンガの方に軍配があがるなぁ。まぁ、原作の方もそんなに面白くなかったけど、これも全然ダメだった。
何がダメだったか欠点を挙げてみると、ダラダラしている場面が多い・スポンサーがちらつく・不自然でちゃちいなどの3つが挙げられる。
1つ目の「ダラダラしている場面が多い」なのだが、これは特に冒頭の妻木の一人芝居のシーンなどがそうで、いちいち、驚いてはこけて話が全然進まず、かなりイライラする。
そこで少し数えてみたのだが、約8分間の中で15回もこけていて、30秒に1回くらいこけている計算になる。そりゃー、イライラもする。全体的にも無意味にただ歩いている場面が多すぎてダラダラしたムードが漂ってしまっている。
2つ目の「スポンサーがちらつく」だが、これはその名の通り、スポンサーの商品なんかが意味も無いのに突然、アップになったりするのだ。僕が見ただけでもアサヒ飲料のコーヒー「WONDA」や、大手ガソリンスタンド会社「シェル石油」のロゴや、「ローソン」の看板なんかがあった。こういうのを見つけてしまうと、どうしてもこれの裏で何があったんだろうとかを考えてしまい、映画を真剣に見れなくなってしまうのだ。映画を真剣に見てもらいたいなら、こういう事はしないで欲しいと本当に思う。
3つ目の「不自然でちゃちい」は、例えば、さっきまでは白銀(塵)の世界だったのに東京に着くと突然、あの塵が無くなっていたり、前のシーンでは髪の毛や服が塵のせいで真っ白だったのに次のシーンになるとそれが綺麗になっていたりするのだ。ヘリコプターの中でのシーンでも、明らかにヘリコプターより大きい空間で撮影されており、どう見てもどこかの部屋にヘリコプターっぽいセットを組んで撮影したようにしか見えないのだ。
エンディングは、これを見た多くの人が言う「中途半端で良く分からなかった」という感想ではなく、逆に分かりすぎると言うかみんながもうすでにやってきたようなエンディングという感想なのだ。これは、完全な「逃げ」であると思う。ここでは、もっと新しいことに挑戦しても良いようなひとコマだと僕は考えているので、高橋しんの「最終兵器彼女」で見たような、手塚治虫の「ロストワールド」で見たようなラストはもういいのだ。
これには、原作のラストの問題などがあると思うのだが、そういうしがらみに囚われないで原作を小道具として考えるくらいでないとマンガ原作という邦画界の宝を潰してしまうことになりかねない。