W3


W3(ワンダースリー) (1)
W3(ワンダースリー) (1)
posted with amazlet on 06.02.13
手塚 治虫
秋田書店 (1995/03)

手塚治虫(以下、手塚)の中期作品という感じだろうか。劇画が主流になりつつあった時期でその劇画を手塚自身も取り入れ始めた時期の作品である。
手塚のマンガは、たぶん何百年たっても生き残っていくというか試験に出そうな人になっていくと思うのだが、実は手塚は今読んでも面白いんだよ、決して過去の作品じゃないんだよ、ということをぜひ分かっておいて欲しい。(特にこれからの子ども達に)
内容は、宇宙人達が地球を滅ぼすか救うかを決める為に調査員・W3を地球に送って、そのW3とそこで出会った様々な人間達の物語だ。これは言っていいのか分からないのだが、結局、結末は素直な少年の活躍により地球は救われた。しかし、ふとこの少年がいなかったら地球が滅びていたんだなぁと考えてしまうのだ。そして今、W3が来てもこんな少年はいないんだろうなぁと考えてしまうのだ。
最後のちょっとした裏話もあの007を取り入れた仕掛け時計もボッコの少女のような恋もそれでいて残酷な人間達の描写も僕の少年時代には全てが刺激的で今でも手塚作品の中で一番愛している作品である。
B+α