三丁目の夕日

夕焼けの詩―三丁目の夕日 (1) (ビッグコミックス)

夕焼けの詩―三丁目の夕日 (1) (ビッグコミックス)

僕は、世代的にもう力道山の空手チョップを知らない。家庭電化ブームというのもピンとこない。でも、『三丁目の夕日』を読むと、その時代を知らないのになぜか懐かしいと感じてしまう。
このマンガの舞台は、夕日町三丁目。一応、主人公は一平君という少年がいるのだが、単行本で1/3登場するかしないかぐらいなのである。あとの2/3程は、その夕日町に住んでいる人達を描いているのである。ずっと読んでいけば、分かるのだが、実は主人公は一平君ではなく、夕日町という町が主人公なのだ。
話自体も当然面白いのだが、このマンガで結構教えられる事が多い。例えば、強いベーゴマの作りかた(先を地面で削ると鋭くなり強くなるのだ)や、梅の実から梅干を作るやりかた、十姉妹(じゅうしまつ)という鳥の飼い方など、なかなか読んでて飽きないのだ。
そして、話の内容だがそういう昔の情緒ある話ばかりかと思ったらそうでもなく、怪人Xという妙な黒ずくめの男が出てきたり、ネコとイヌの上下関係の話があったり、ゴキブリが人間の顔で触覚がついているという無謀な風体で登場したり・・・。
三丁目の夕日』は、昭和30年版の『ドラえもん』なのだ。
これは、50巻ほどでているが、今はそう売ってない。しかし、幸いなことに今、コンビニでペーパーブックとして簡単に手に入る。今なら、どこか探せば置いてるはずなので一度読んでみるといいだろう。
 B+