賭博黙示録カイジ


賭博黙示録カイジ(1) (ヤングマガジンコミックス)

賭博黙示録カイジ(1) (ヤングマガジンコミックス)

この作者、福本伸行が書いているマンガは、博打マンガがほとんどだ。その中でも、やはり麻雀系が多い。 でも、その麻雀系のマンガは、麻雀を知らないと読めないので、(満貫・役満という用語は、僕も含めて素人には分からない)読者層が狭まる為、実際の所あまり売れないらしいのだ。そこで、たぶん編集者は福本伸行に、麻雀ではなくもっと分かりやすいもので、博打マンガは書けませんかと、頼んだのだろう。
そこで、出来たのがこの『賭博黙示録カイジ』だと言われている。
このマンガの第一章の博打の題材となったのは、「ジャンケン」。 ずばり、誰でも分かる勝負である。しかし、この「ジャンケン」という題材で、複雑な心理戦を描くのは普通困難なはずなのだが、このマンガは見事にそれをやり切った。 しかし、今それをばらしてしまうのはもったいないので、それは自分で確認してみて欲しい。
次にこのマンガの特徴は、心の中の葛藤・ひらめき、つまり心理描写が実に多いということである。この作者は、現実と非現実(回想・比喩など)のコマを実線と点線で分けているのだが、それはこのマンガが心理描写が多いことを象徴している。しかし、コマ構成が実に単調でだいたいは1ページに3、4列の6、7コマで10ページに一度くらい大ゴマを使って人を大勢書くときは見開き2ページ上部を使って「ざわざわ」という書き文字を入れる。本当にコレだけなのだ。(素人目線での話しなので、コレだけっつうのは、怒られるな)しかし、その弱点は、主人公の滴る汗やこれでもかという顔の斜線なんかによって、十分この世界に入っていけるのだ。
このマンガは、章ごとに区切られているので、前に言ったとおりまずはこの第一章「ジャンケン」を立ち読みでもして、読んでみて欲しい。
 A

この『賭博黙示録カイジ』は、続編で『賭博破戒録カイジ』、『賭博堕天録カイジ』があり、その都度1巻からになっているので間違いやすいです。
賭博破戒録カイジ』 A−
賭博堕天録カイジ』 続刊(2004年)