座頭市


座頭市 <北野武監督作品> [DVD]

座頭市 <北野武監督作品> [DVD]

基本的に僕は北野武作品は好きなので、よく見る。
でも、最近の北野武作品は正直そんなに面白くない。「この映画を撮ってやるぞ!」という意気込みが感じられないのだ。
この『座頭市』も何故この映画を撮りたいのかという意図が見えてこない。
知らない人の為に一応、言っておくがこの『座頭市』という映画は昔、勝新太郎という人が演っていたのだ。その為、勝新座頭市にかぶらないようにというのがどうしても頭にあったに違いない。それで、殺陣のシーンを血がドパーッと吹き出るようにしたり、音楽の演出に色々趣向を凝らしたのだと思う。(意識的であれ、無意識的であれ)
後、少し内容の言うと北野の市は全然、仁義っつーか倫理っつーか、なんかそういう根本的な「そんなに人を殺さないでおこうぜ」っていう考え方を持っていないのだ。勝新の市は悪人でもできるだけ殺し合いはやりたくという奴なので好きなのだが、北野の場合はそうではないのだ。
例えば、賭博場で市が遊んでいるとその中で一回、親(カジノでいうディーラー)がインチキをする場面がある。市は目が見えないかわりに鼻や耳が発達しているという設定なので、即座にそのインチキを見破るのだが、いきなりその親の腕をすっ飛ばして、周りにいる仲間も皆殺しにしてしまうのだ。(普通ならインチキした奴がなに〜とか言って刀を取り出して斬りかかってきた所を逆に斬るって感じだと思うんだけど、北野の場合は「それ、インチキだろ。」「ズバーッ」という感じなのだ…。)
それと、このシーンでの皆殺しの殺陣もあまり良くなかった。いきなり、ろうそくをふっと消して暗くするのはいいんだけれど、本当に絵も暗くてよく分からなかった。勝新の場合は、暗いんだけれど、でも絵的にはちゃんと見えるようになっていて良かったのだが…。
まあこの辺は、一作やっただけと何十作もやったという違いがあるのだからしょうがないのかなとも思う。
たけしさんには『座頭市』をもっと続けてもらうと、もっと味がでてくるのだろうと思うのだが、でも本当はそうではなくたけしさんには自分の考えた新しいものに挑戦していって欲しいと思う。







[映画]菊次郎の夏


[映画]HANA-BI

A−


[映画]『キッズ・リターン』 何度観ても全く飽きずにストレスなく観れる作品。どのシーンも全てに意味があって、テンポ良く進んでいく。それに相まって、久石譲のだす音楽も心地よい。割と完璧な作品だと僕は思う。 A−


[映画]その男、凶暴につき

B+


[映画]『ソナチネ』 映画のテーマを最初出しちゃったせいもあってか(たけしが殺すことと死ぬことについて語るシーン)、最初からずーっと死に向かっいてる感じがして、たけしがアップになる度に今にも死ぬんじゃないかという気がして身につまされた。だから、笑えるシーンもどこか笑えなくて、最後のシーンも「あー、やっちゃたか」っていう思いだった。心にくるものはあるんだけれど、そういう映画だから多少、起伏がないダラダラした感じも見受けられた。人により、観たときの精神状態により、評価はその都度、変わってくると思うがとりあえずはこの評価で。 Bα