あずみ


これはビデオを借りて見たのだが、見るのが非常に面倒くさかった。でもせっかく借りたので頑張って見たのだが、結局3回ぐらいに分けて見た。僕は原作を少ししか読んでいないので、それについて語ることは出来ないが、映画の『あずみ』は、実に内容が薄っぺらかった。
やっぱり、若手俳優陣・若手アイドルでは厳しいかなと思う。その中でも、やはり良い味を出していたのが「竹中直人」の加藤清正である。あの人は、役を作るのが本当に上手いなぁ〜といつも感心させられる。 最近、竹中直人はコワい役が多いのだが昔は、結構色んな役を演じていた。竹中直人が監督をしている『無能の人』では、理屈っぽいのだがヘタレで、でもプライドが高い漫画家という面白い役を演じている。ぜひ、一度見て欲しい。
話を『あずみ』に戻すことにするが、この映画はB級っぽいというか子供達が見る「○○戦隊」みたいな映画なのだ。
例えば、上空からのアングルで地上にある家屋が爆発するシーンがあるのだが、爆風で地上にいた人が「ウワァァー」何て言いながら空に飛び上がってきたり、爺さんが死んでしまう時も誰もが避けて通りそうなベッタベタな死に方をしたりするのだ。殺陣の設定もあやふやで、さっきまでずっと刀を振ると血も出ずにバッサバッサ死んでたのに突然、ある人の場合だけ血が出て頭がポーンて吹っ飛んだりするのだ。(基準がないと現実感がなく薄っぺらく見えてしまう)
ラストでも、あずみ1人対村民・侍達100人くらいで戦うのだが、あずみが斬ってる時は、他の敵達は何もせず見ているだけで、さっきの人が斬られて死ぬとまた次の人が来て、その人が死ぬとまた次の人が来るっていう感じで何故か1人多くて2人ずつぐらいでしか斬り合わないのだ。
見ていると、どう考えても
「は〜い、前の人が斬られるとすぐにお願いしますね〜。きちんと、前の順番の2人ぐらいの顔を覚えていてくださいよ〜。覚えましたか〜、では少し練習してみますよ〜。はぁーい、1,2,3の4の5。と、まぁこんな感じでお願いしま〜す。」
のような光景を想像してしまうぐらい現実味が無いのだ。
面白いくらい典型的な性格と造形の敵キャラ、ちょうど5人のヒーロー達。まさにあれではないか。
こんな映画は日曜日に早起きをしているちびっ子達に見せてやればいいのだ。


無能の人』 B+α