ギャング・オブ・ニューヨーク


ギャング・オブ・ニューヨーク [DVD]

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この映画のだいたいの世界観を言うと、イギリス・アイルランドから大勢の人が移民してきた時代であり、ギャング・保安官・両開き扉の酒場などの日本人が思い描く「西部」の時代であり、リンカーン奴隷解放宣言をした時代の映画でアメリカの歴史を完全に把握していない者にとって、この3つの時代を繋げるのは難しいかも知れない。
ストーリーは先住民と移民の縄張り争いで先住民たちが勝ち、移民者達は狭い立場となっていてその争いによって父親を殺された主人公が自分の復讐心をきっかけにもう一度、縄張り争いを仕掛けるという話でラストの闘いもさぞ爽快に見せてくれると思っていたのだが、何故か途中で暴動が起こり、それにより警察が召集されて長年続いている神聖な闘いが行われるというムードじゃなく、騒然とした中で気づいたら勝っていたという感じで、このラストもアメリカ人なら、わざわざここでその暴動のシーンを入れる意味も分かると思うのだが、多くの日本人はよく分からない作品だったろうと思う。


と、まぁ色々語ってきた訳だが、さっきまで語ってきたことは本当はどうでもいいことでせいぜい「よく分からない映画」だということがわかっておけばいいと思う。
僕がこの映画を観て一番語りたかったことは、この映画のSEXシーンのことだ。
この映画のSEXシーンは実に長かった。時間にしてもそうだが、普通ならキスをしてベットインをしたらさすがにもう次のシーンに変わると思うのだが、この映画の場合はキスをした後に服を脱ぎ、その後も女性の方が男性の至るところにキスをし、乳首まで舐めてしまうのだ。
小さい頃、家族で映画を観たときこういうヤバイシーンに出くわすと非常に嫌なムードが漂い、わざと視線をはずした経験がないだろうか。この映画は地上波のゴールデンタイムで放映されていたのを観たのだが、この時、何人の子ども達が寝たふりをし、飲み物を注ぎに行こうと立ち上がり、したくもないトイレに向かっただろうか。
こういうSEXシーンを入れることによって繊細な子ども達が傷ついている現状をこの映画を通して伝えたかった。(ディカプリオさんに)