三宅乱丈作品


ぶっせん 1 (1)
ぶっせん 1 (1)
posted with amazlet on 06.02.13
三宅 乱丈
講談社 (2000/02)

色んな書店・古本屋を回ってやっと全巻集めた。今、残念ながら絶版になってしまっている三宅乱丈の『ぶっせん』である。
1巻だけを読むと、大げさで気持ち悪いキャラ(特に正助)ばかりが登場してオチも変なものばかりなので少しとまどうかもしれないが、2巻、3巻、4巻と読みすすめていくうちに老師とつまんだの攻防やニセ正助の登場、金々腹寺三姉妹の恋の行方なんかが出てきて、1話完結でありながらも次につながる手札を常に持っているという、作者の力というか技を感じた。
5巻、6巻の金々腹寺とぶっせんの怒涛のスパイ合戦の話なんかも目にみはる構成力で思わず、‘いしかわじゅん’さんがおっしゃっていた
「ギャグの話でオチの部分を落とさないで書くと、シリアスなストーリー物になっちゃうんですよね。だから、ギャグ漫画家っていうのは普通のストーリー物もかけちゃうんですよ。」
と、いう話を思い出してしまった。
A−


ペット
そんな三宅さんが本腰を入れてシリアスなマンガを描いたらどうなるのかという疑問にみごと答えてくれたのが『ペット』という作品だ。
驚くことにギャグの要素は1ミリも入ってなく「これが三宅乱丈か!」と言ってしまいたくなるほどなのだが、やはり構成力の上手さは変わっていなく、グイグイと読み込ませるものがある。しかし、残念なことに打ち切りだったのかは分らないが話が途中で終わってしまっているのだ。まぁ、とりあえずは形にしてくれたので問題はないができたら最後まで見てみたかったなと悔しい気持ちが残る…。
B+α


他にもちょこちょこと描いてらっしゃるのだが、どうもまだ日の目を見れていない感があるので何とか応援したいと思っている。作品を愛しているというより作者を愛している数少ない漫画家さんだ。