恋の門


DVDというものが普及しはじめてからしばらくして、オーディオコメンタリーというものが出だしたが、あれを考えた人は本当にやるな〜と思う。今までは、パンフレットのようなものがそういう役割だったのだろうけど、あれだと映画本編を観ながら又、2時間たっぷりと楽しめちゃうのである。
今回もレンタルで『恋の門』を観たのだが、レンタルする場合はぜひDVDの方を借りてく欲しい。こっちには、なんと2種類のオーディオコメンタリーが入っていて合わせて3倍楽しめちゃうのである。
お得感で言ったら、豪華な出演者たちもそうで、マンガ好きなら思わず気になってしまう有名なあの方やこの方たちがいたるところに出ている。
だから、映画全体の評価というのではなくそのシーンだけという「点」の評価で捉えた場合、この作品はなかなかいい仕事をしているのではないだろうか。
終盤の主人公たちがマンガを描くシーンで、マンガを描きながら「楽しいーーーー!!!」と絶叫するシーンがある。マンガを描く集中力によって引き起こされたトランス状態を描写したものと思われる映像で、観ている側も思わずマンガを描きたくなってくるのだ。
他にも3回観て3回とも笑ってしまったシーンがあるのだが、主人公が絆創膏のようなものをはがしてペチンと投げ返すというシーンで、あのなんとも言えない体の動きとペチンという効果音とが合っていない不自然さが妙に可笑しいのだ。もう、僕としてはこの1シーンだけでやられたなと思ってしまう。
完成度で言ったら『下妻物語』なんかには劣ると思うのだけれど、僕のようなマンガ好きなんかは意外に『恋の門』の方がずっと覚えていたりするもんである。
B+