TAKESHIS'


TAKESHIS'
TAKESHIS'
posted with amazlet on 06.02.12

北野監督の『TAKESHIS'』を観てきました。
映画館に行って非常に印象的だったのが、観終わった人達が一斉にエレベーターに乗ったのですがその中で会話は一切なく重苦しい困惑した状態でした。そして、僕も同じく困惑していました。そんな中、自分のモットーを頼りになんとかレビューしています。
「夢」というのがこの映画を観ていく上でのキーワードとなるのだが、夢というのは見ている瞬間はすごいインパクトがあるが、見終わるとすぐに忘れて思い出せなくなる映像である。この映画もそのような雰囲気は上手に演出しているのだが、実際に作品としてそのような夢を描きだされても、面白いとは言いがたい。
夢というのはフロイトによると抑圧した無意識というもので、それは「本来認めたくない考え」や「死を直視するもの」であると考えていいと思う。そうするとそういう所から、この映画のメインテーマでもある、素の自分・寂しい情けない自分というのを関連づかせると良かったんじゃないかと思う。武さんもそのように演出してらっしゃったと僕は解釈しているのだが、それでも僕にはくずしすぎているようにしか見えない。
僕の「何か心にくるものがあり、何度も観たくなる作品」という基準に合っていなくもないが、これもストライクゾーンに入れてしまうと何でもありになってしまうので、ここは酷だが、B評価である。